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アタリを出すことは大罪である

出雲に行った。神話の舞台として有名な場所である。あと10月になると神々が集結する。現状国内で唯一定期運行している寝台列車、サンライズを足として使用した。サンライズは14両編成で東京駅を出発し、途中の岡山駅で連結を切り離して半分は出雲、もう半分は瀬戸に向かう。

サンライズの乗車券、寝台券の予約は乗車日の1ヶ月前の10時からみどりの窓口かネット予約(e5489)で行える。国内唯一の寝台列車となれば凄まじい人気で、予約開始と同時に購入を試みたが、個室では最も低いグレードの「ソロ」しか予約ができなかった。

サンライズには2人まで同室できる「シングルツイン」、「サンライズツイン」があるが、車両に数部屋しか用意されていないことも相まって予約難易度は相当なもののようである。加えてJR西日本の予約システム「e5489」は非常に使いにくく、事前に予約方法について予習しておかないと当日のスムーズな予約は到底不可能である。それでも予約が発売と同時にすぐに埋まってしまうことからも、使用者の熱量は相当なものだと予見される。ホーム上にもサンライズの撮影だけする人が大勢いた。

朝4時頃、ぐっすり眠っていたら神戸駅を過ぎたあたりで「山陰本線で保守用車故障のため、姫路駅で運転を取りやめます」と車内アナウンスが鳴る。「またまたご冗談を(笑)」と聞き流していたら本当に姫路駅で停車して、すぐに降りろと再度案内が出た。姫路駅のホーム上で絶望していたら、新幹線で岡山駅まで移動し、その後は特急を使って出雲市駅まで行けるようにJRが手配してくれた。助かる。

絶望

列車が走行する軌道付近の作業は、営業線近接工事と呼び、その範囲は軌道中心から8m以内である。この範囲内における作業は、基本的には列車の走行本数が比較的少ない夜間(終電~始発までの間合い)で行う。保守用車とは軌道に乗せて走行する工事車両のことで、バラスト(線路に敷かれている石ころのこと)を撒いて法面を整備する車両や、レールの歪みやヒビを検査する車両などがある。今回はこの保守用車が故障して立ち往生したようだ。工事や作業などで列車にアタリを出す(遅延や運休を発生させる)ことは大罪であるため、関係者の苦労を想像するに難くないが、いかんせんバッドタイミングだ。